文生成が面白そうだったので、Clojureで書いてみた。
処理内容としては、以下の通り。
(1)形態素解析ライブラリKuromojiを使用して、元ネタとなる文章を形態素解析する。
(2)その形態素の連鎖をモデル化して、マルコフ連鎖に基づく文生成をする。
プログラム
(ns ai.sentence(:import (org.atilika.kuromoji Token Tokenizer)))
(def ^:dynamic *words*
"マルコフ連鎖のモデル
次のキーと値のマップ
キー: 形態素
値: キーを次の形態素、値を出現数とするマップ"
(ref {}))
(defn tokenize [text]
(let [tokenizer (. (Tokenizer/builder) build)]
(. tokenizer tokenize text)))
(defn token-word [token]
(.trim (.getSurfaceForm token)))
(defn inc-map-value [m k]
(if (get m k)
(update-in m [k] inc)
(assoc m k 1)))
(defn register-word [m word1 word2]
(let [word2-map (get m word1 {})]
(assoc m word1 (inc-map-value word2-map word2))))
(defn load-text [file-name]
(let [text (slurp file-name)
tokens (tokenize text)]
(reduce (fn [m [token1 token2]]
(let [word1 (token-word token1)
word2 (token-word token2)]
(if (or (= word1 ""))
m
(register-word m word1 word2))))
{} (partition 2 1 tokens))))
(defn select-word [word-map]
(first (rand-nth (seq word-map))))
(defn select-next-word [word-map word]
(let [next-word-map (get word-map word)]
(select-word next-word-map)))
(defn create-sentence [word-map word]
(loop [sentence ""
word word]
; (println (str "*" word))
(if word
(if (or (= word "。") (= word "?") )
sentence
(recur (str sentence word) (select-next-word word-map word)))
sentence)))
(defn init []
(dosync
(ref-set *words*
(load-text "/home/satoshi/work/sample.txt"))))
サンプルの文章(sample.txt)
夏目漱石 「我輩は猫である」(青空文庫より)の最初の部分を使用した。吾輩は猫である。
名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めて人間というものを見た。
しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。
この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始であろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶だ。
その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。
のみならず顔の真中があまりに突起している。
そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。
どうも咽せぽくて実に弱った。
これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。
実行結果
user> (in-ns 'ai.sentence)#<Namespace ai.sentence>
ai.sentence> (init)
{"だ" {"と" 1, "。" 2}, "ニャーニャー" {"泣い" 1}, "一" {"度" 1, "毛" 1}, "何だか" {"フワフワ" 1}, "所" {"で" 1}, "ここ" {"で" 1}, "名前" {"は" 1}, "あっ" {"た" 2}, "
〜略〜
ai.sentence> (create-sentence @*words* "何")
"何というの飲む煙草という人間というのは何でも残って食うという考もだいぶ逢った"
ai.sentence> (create-sentence @*words* "猫")
"猫でニャーニャー泣いてまるで薬缶だと思った時何だかフワフワして書生のがない"
ai.sentence> (create-sentence @*words* "煙草")
"煙草というものを吹く"
# まさに、人工無能...
形態素を使っているので、n-gramを使用した場合より、まともな文章になっているが、文法に従った文生成をしていないため、意味不明な文になっている。
また、本来は、ある形態素の次の形態素を決めるときには、遷移確率を考慮しなければならないが、均等な確率としている(select-word関数のrand-nth関数)。
このような文字列を扱う処理は、C言語よりも圧倒的にClojureの方が書き易い。
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